アニメソングの作詞をするということ

よく、「どうしてアニメソングしか書かないのですか」という質問を受けるので、今日はボクがアニメソングの作詞家になったお話を書こうと思います。

もともとボクはオーストラリアでのインディーズ時代からR&Bやロックなど、いわゆる一般曲の作詞とか作曲とかをやっていました。沖縄に着てからも2枚のインディーズCDのプロデュース(作詞作曲も)をしたりと、一般的な音楽仕事をしていました。
 ただ、そのころから一般曲・歌謡曲にはポピュラリティーがあるかわりに、ある種の限界や制約があるような気がしていました。映画にたとえると、ラブストーリーやドラマばかりで、SFやスケールの大きいフィクションに対応していない感じといえばお分かりいただけるでしょうか?
 そんな時、思いついたのが童謡や子供たちに向けての曲作り。何十曲も書きため、沖縄で歌い手さんにも何曲か歌ってもらっていました。そのときにライブとかを見に来る子供たちの顔を見て「これだ」と思ったのです。
 その後縁あって遊戯王のEDを書くことになったのですが、そのときにすべての道が開け、自分がさがしている道は「アニメソング」だと気づきました。

前にも書きましたが、子供のころに聞いたアニメソングというのはずっと心に残るもの。そういった歌だからこそやりがいがあり、ボクがうったえたい「平和」や「夢」を明確に表現できるのです。
 なかには、歌謡曲の作詞家さんと比べて格下的な発想をする方がいますが、自分では別のジャンルであるというくらいの認識で、どっちも同じ歌であり、同じクリエーターだと思っています。

今、日本の文化で世界に誇れるものはアニメ。その歌たちは世界への扉を開くものでもあります。実際すでに数作品は海外での放送も始まっています。そういう話を聞くとボクは「アニメソング」の作詞家であることにあらためて喜びを感じるのです。

若干熱く語ってしまいましたが、まぁそういう心がまえで日々がんばっているということです。いつかぼくの撒いた種(アニメの歌)がタンポポのワタボウシみたいに世界に飛んでいって、たくさんの子供たちの心にきれいな花を咲かせるといいなぁ。