「音楽性より人間性」

ボクの大切な言葉「音楽性より人間性」。


 音楽を仕事にしようとしてからもうすぐ10年。今でこそ数多くのCDに参加させていただき、毎月リリースがあるような状態ですが、駆け出しの頃は、そりゃぁもう貧乏しました。


 ただ貧乏時代でも「絶対売れてやる」という気合と「人のやらないことをやろう、人より多くやろう」という向上心だけは強かったなぁ。


 あの頃は、お金はなかったけど振り返るとホント楽しい時期だった。周りに才能があるやつ、とにかく目立ちたいやつなどが多く、後に多くの人たちが歌手デビューして行ったっけ。



 でも、そのなかで今現役バリバリと呼べるのは数人・・・。消えていった人たちの大半は、トップを目指す道の途中で「慢心」「裏切り」「自信喪失」など、自分を見失って落ちていきました。

 この業界、とくにフロントの人たちはチヤホヤされるので簡単に「勘違い」しがち。いくら周りが冷静に諭しても「気持のいい」感覚に人は勝てないようなのです。人間なんてそんなことで上とか下とかないのに、人気があるから(実際にはそれも勘違い)俺は偉い!みたいになっちゃうんですよね。
 だから彼らを周りでささえていた大事なブレーンまで裏切って、ないがしろにしてしまったのでしょう。そんなとき、置いていかれる側のボクらは「音楽性より人間性」と何度も繰り返しつぶやいてました。そして辛くても足を引っ張ろうともせず応援してました。



 浜崎あゆみさんなんかああ見えてものすごくスタッフに気を配る方だそうです。その他芸能人の知り合いでも、成功されてる人たちは押しなべて「人として尊敬できる人」ばかりです。
 現在、講師という形で週に一回ですが教鞭をとり「若者たち」と接しています。彼らには、そういう失敗がないように「一生懸命」取り組む姿勢=「プロ意識」=「人を思いやることのできる人間性」を教えていければと考えています。(もちろんボクも今以上に精進していきたい)



 今何とか「自分のなりたかった職業」に就いてやれているのも「音楽性より人間性」という言葉があったから。つらいときでも人を裏切らず、人間として恥ずかしくない生き方をしてきたからじゃないかと思います。これからも音楽性を高めるために、人間性に磨きをかけていきたいと思います。